ビタミンAの生理作用と食事摂取基準

ビタミンA(レチノール)は、脂溶性ビタミンに分類され、視覚を司る視物質の構成成分となり、更に成長促進や免疫機構の維持などの作用があります。欠乏症として夜盲症が有名ですが、眼球や角膜及び皮膚の乾燥症などがあります。ビタミンA(レチノール)の急性過剰摂取で皮膚の角化、肝肥大、悪心、嘔吐、頭痛などが生じ、ビタミンA(レチノール)の慢性過剰摂取で微熱、色素沈着、甲状腺機能低下などが生じるといわれています。病気でないのに、薄暗いところで目が見えにくいと感じたらビタミンA不足かもしれません。

ビタミンAが必要な人

  • 薄暗い所でよく見えない人
  • 風邪をひきやすい人
  • 肌がかさつく人
  • 授乳婦
  • がん・動脈硬化・心臓病の予防をしたい人

ビタミンAの生理作用

目の網膜にはレチナールと呼ばれるビタミンAの代謝物を含んだ光受容体が多く存在し、レチナールが減少すると、光に対しての反応が鈍くなり、欠乏が続くと夜盲症(とり目)になってしまいます。皮膚や口、鼻、気管、胃、腸などの粘膜を保護し、免疫機能を維持する働きがあるので、欠乏すると風邪をひきやすくなったり、口内炎や歯茎が腫れるといった症状が現れます。みずみずしい肌と艶やかな髪、健康な爪を育てるなど美容に関与します。ネズミの実験により、ビタミンAが不足していると上皮細胞がんや胃がんの発生率が高くなることが判明してから、ビタミンAには発がん抑制作用があるとされています。

ビタミンAの過剰症

カロチンやカロチノイドでのビタミンA摂取は、レチノール当量で3倍摂取しても手のひらや足の裏が黄色くなることはあっても過剰症は起こしません。

  • 頭痛
  • 発疹
  • 吐き気
  • 皮膚の剥離
  • 脱毛
  • 胎児奇形出産(妊婦)
  • 肩こり
  • 関節痛
  • 疲労感

ビタミンAの欠乏症

  • 乾燥肌
  • 肌荒れ
  • 鮫肌
  • しわ
  • 早期老化
  • ふけ
  • 爪の割れ
  • 眼球乾燥
  • 視力低下
  • 夜盲症
  • 食欲不振
  • 感染症
  • ニキビ
  • 皮膚の角化
  • 新陳代謝異常
  • 臭覚喪失

ビタミンAの吸収促進

  • ビタミンD
  • βカロチンなどのカロチノイド類
  • 脂質を含む食品

ビタミンAの吸収阻害

  • 喫煙(活性酸素除去の抗酸化作用により減少)
  • 光に弱い

ビタミンAの食事摂取基準

ビタミンAの摂取基準
年齢(歳)1日の推奨量 (μgRE)上限量(μgRE)
0~5(月)300(※1)600
6~11(月)400(※1)600
1~2400350600
3~5450450750
6~74504001000
8~95005001250
10~116005501550
12~147507002220
15~179006502550
18~298506503000
30~498507003000
50~698507003000
70以上8006503000
妊婦(付加量)初期+0
中期+0
末期+80
授乳婦(付加量)+450

資料元: 厚生労働省2010年版食事摂取基準より

μgRE: レチノール当量

(※1)目安量

推奨量にはプロビタミンAカロテノイドも含みますが、目標量と上限量には含まれません。

ビタミンAを多く含む食品

ビタミンAは、主にレバー、うなぎ、ビタミンA前駆体のカロチンとして緑黄色野菜に多く含まれています。ビタミンAには過剰症があるので、体内で必要な分だけビタミンAに変換されるβカロチンなどのカロチノイド(ビタミンAの前駆体)での摂取が推奨されます。


食品名1食分(g)含有量(μgRE)
鶏レバー507000
豚レバー506500
あんこう肝201660
うなぎ蒲焼100(1串)1500
銀タラ80(1切)880
牛レバー50550
ホタルイカ30450
モロヘイヤ50420(5000)
西洋かぼちゃ80264(3200)
にんじん30(1/5本)228(2730)
春菊60(2株)228(2700)
あしたば50220(2650)
ほうれん草50(小1/4わ)175(2100)
すいか250(1/8個)172(2075)
大根葉50165(1950)
小松菜50130(1550)
にら3087(1050)
みかん70(1個)64(770)

μgRE:レチノール当量

含有量の()は、βカロチン当量

ビタミンA・カロチノイド含有健康食品