鉄の生理作用と食事摂取基準

人の体には約4%~5%の鉄が存在していますが、その60%~70%は血液のヘモグロビン内に「ヘム鉄」として含まれています。残りは貯蔵鉄として、肝臓や骨髄に貯められます。血液中の鉄は酸素と結びつき、全身に酸素を運ぶ働きがあるため、血液中の鉄が不足すると、肝臓や骨髄にある貯蔵鉄が不足分を補うので、鉄欠乏貧血が起きます。鉄欠乏貧血が起きると、動悸、めまい、疲労などの症状が出るほか、顔に赤みがなくなるので顔色が悪くなります。更に免疫力が落ち、口内炎や舌炎など粘膜にも異常が起きてしまいます。

鉄が必要な人

  • 妊婦・授乳婦
  • 成長期の子供
  • 貧血気味の人
  • 痔の人
  • 歯茎からよく出血する人
  • コーヒー・緑茶・紅茶をよく飲む人
  • 子宮筋腫・月経過多の女性

鉄の生理作用

鉄は体内でグロビンというたんぱく質と結びついて、血液成分であるヘモグロビンという物質になります。血液中の鉄は酸素と結びついて全身に運ぶ役割があります。また、粘膜の免疫力保持にも関与しています。

鉄の過剰症

【急性の過剰摂取】

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腸の損傷

【慢性の過剰摂取】

  • 冠動脈損傷

鉄の欠乏症

  • 鉄欠乏性貧血
  • めまい
  • 動悸
  • 息切れ
  • 疲れ
  • 青白顔
  • 冷え性
  • 忘れっぽい
  • 爪が弱くなる
  • 髪が弱くなる

鉄の吸収促進

  • たんぱく質
  • ビタミンC
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • クエン酸
  • 乳酸

鉄の吸収阻害

  • タンニン
  • フィチン酸

鉄の食事摂取基準

鉄の摂取基準
年齢(歳)1日の推奨量(mg)上限量(mg)
男⁄女
0~5(月)0.5(※1)
6~11(月)5.04.5
1~24.04.525⁄20
3~55.55.525
6~76.56.530
8~98.58.035
10~1110.09.5⁄13.5(※2)35
12~1411.010.0⁄14.0(※2)50⁄45
15~179.57.0⁄10.5(※2)45⁄40
18~297.0605⁄10.5(※2)50⁄40
30~497.56.5⁄11.0(※2)55⁄40
50~697.56.5⁄11.0(※2)50⁄45
70以上7.06.050⁄40
妊婦(付加量)初期+2.5
中期+15.0
末期+15.0
授乳婦(付加量)+2.5

資料元: 厚生労働省2010年版食事摂取基準より

(※1)目安量

(※2)左が月経無し、右が月経あり

過多月経の人を除外しています。(月経出血量80ml⁄回)

鉄を多く含む食品

鉄は主にレバー、肉、魚(赤身)、カキ、ヒジキなどに多く含まれています。鉄には動物性たんぱく質食品に多く含まれるヘム鉄と植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄があります。吸収阻害の影響を受けやすい非ヘム鉄よりヘム鉄の方が5%ほど吸収率がよいとされています。鉄分が不足している時は、レバーやめざしなどの動物性たんぱく質を中心にバランスよく摂取しましょう。


食品名1食分(g)含有量(mg)
あさり水煮缶3011.3
豚レバー506.5
干しひじき105.5
鶏レバー504.5
スモークレバー204.0
がんもどき802.88
大豆302.82
牛もも(赤身)802.2
青のり32.2
牛レバー502.0
小松菜701.96
カツオ100(1切)1.9
煮干101.8
きな粉201.84
インゲン豆301.8

鉄含有健康食品