エネルギー代謝

エネルギー代謝とは、3大栄養素である炭水化物、脂質、たんぱく質が食物から体内に摂りいれられ、酸素など働きで消化酵素と結合し、運動エネルギーや体温維持などのエネルギー源として利用される仕組みのことを指します。 エネルギー代謝は大きく分けて、基礎代謝、労作代謝(活動代謝)、特異動的作用の3つあります。

エネルギーの単位

栄養学では、従来からエネルギーの単位として、熱量を示す単位であるカロリーが用いられています。1カロリー(1cal)は、1気圧の下で、14.5℃の水1gの温度を15.5℃まで上昇させるために必要な熱量ですが、その1000倍である1キロカロリー(1kcal)を基本単位としています。一般にキロカロリーをカロリーと呼ぶことが多いので注意が必要です。また、ジュール(J)という熱量の単位があります。カロリーと比較すると、1cal=4.184J(ジュール)、1kcal=4.184kJ(キロジュール)に相当します。しかし、計量法が改正された現在においても栄養や代謝においてはカロリーを使用することが可能ということもあり、現在の熱量表記もカロリーが一般的です。

食物エネルギー

食物中の炭水化物、脂質、たんぱく質が体内で発生するエネルギー量を測定すると1g当たり炭水化物:4kcal、脂質:9kcal、たんぱく質:4kcalになります。この値をアトウォーター係数または、カロリー換算係数と呼び、食品中の栄養素の含有量が分かれば、この値を用いてその食品中のエネルギー量を求めることが出来ます。また、食品成分表に表示される各食品中のエネルギー量も、それぞれ適切な係数を用いて算出された値です。尚、酒類のカロリーが高いのは、アルコールの熱燃焼が1g当たり7kcalとして計算されるためです。

基礎代謝

人は何もしないで横になっている時でも心臓や呼吸に関する器官の筋肉は活動しており、体温の維持など生命の基本活動が続いています。このような生命を維持するために最低限必要なエネルギーの量を基礎代謝量といいます。基礎代謝量は、体が大きいほど増加しますが、この場合、体重よりも体表面積に比例します。同一人物では日による基礎代謝量の変動は少なく、体の大きさや性別・年齢が同じであればほぼ同じ基礎代謝量の値が得られます。

基礎代謝量の条件による違い

年齢による基礎代謝量
生後、次第に増加します。体重1kg当たりの基礎代謝量は、1歳~2歳で最高となり、少しずつ減少し、20歳前後以降減少の度合いは小さくなります。初老期には基礎代謝量は少なくなります。
性別による基礎代謝量
同年齢では女子の方が基礎代謝量は低くなります。これは女子の方が脂肪組織が多いためと考えられます。妊婦の場合は妊娠後半に約20%の基礎代謝量増加を示します。
気温による基礎代謝量
基礎代謝量は夏は低く、冬は高くなります。気温が低いほど、体温を維持するために代謝は増加します。
発熱による基礎代謝量
体温が1℃上昇すると、代謝は約13%増加すると言われています。例えば、40℃の高熱の場合、正常体温より50%程度増加すると考えられます。
情緒による基礎代謝量
基礎代謝量は感動、恐怖、怒りで亢進し、落胆して意気消沈した時は低下します。
栄養状態による基礎代謝量
長期にわたる食物の摂取不足、食事が偏ったダイエットや無理なダイエット、栄養失調症などでは10%~30%低下します。
環境による基礎代謝量
激しい肉体労働やスポーツをする人は、エネルギーを最も消費する筋肉量が多いため基礎代謝量は高くなります。

労作代謝(活動代謝)

人は日常生活において様々な活動をしているため、安静時よりもエネルギーが消費されます。活動するするためのエネルギー消費を労作代謝(活動代謝)といいます。活動とは、職業としての労働だけでなく、スポーツ、家事、余暇活動など全ての生活活動を含みます。

特異動的作用

食物を摂取すると、代謝が亢進するためエネルギー代謝量が増えます。これは食物を消化するために消化器がエネルギーを必要とすることや消化吸収された栄養素の代謝のためによより多くのエネルギーを必要とするためです。このように食物の摂取によりエネルギー代謝が亢進する現象を特異動的作用といい、気温が低い時には体温調節に役立ちますが、気温の高い時には逆に熱負担となります。