便秘

便秘に悩む人は年々多くなり、増加し続けています。便秘の原因として日本人の食生活の欧米化が影響しているといわれていますが、他にも運動不足やストレスなど、社会生活を取り巻く環境には、便秘を引き起こす誘引が溢れています。毎日排便があるのは健康な証拠となりますが、2日に1回、3日に1回しか排便がなくても便が硬くなく、楽に気持ちよく排泄される時は便秘とはいえません。しかし、毎日排便があっても少量ずつで、排便するのに時間がかかったり、硬くてコロコロ状の便が出て排便に苦痛を伴う、残便感があるなど排便があってもすっきりしないような場合は便秘を考えなければなりません。

便秘の原因

便秘とは、自然の排便のメカニズムが乱れ、便が長時間腸内に留まって排泄されることがないため、不快を感じる状態を指します。便秘を引き起こす原因には大きく分けて5つに分類されます。

便意の見逃しによる便秘

便意が最も起こりやすい時間帯は朝食後です。夜間ずっと休んでいた胃に食べ物が入るとそれが刺激となって腸が活発に動き始め、排泄へと動き出すからです。ところがせっかく朝食をとって便意が起こっても、通学や出勤などで時間がないからといって後まわしにしたり、痔の痛みのためにトイレに行くのを我慢してしまうと便意がなくなってしまいます。すると腸の蠕動(ぜんどう)運動も止まってしまい、せっかくの排便のチャンスを逃してしまうことになります。これらの生活習慣が度重なると、自律神経の働きが鈍くなり、便意そのものを感じにくくなります。便意が起こらなければ、排便することができないので便秘が常習化してしまいます。

食物繊維の摂取不足による便秘

食物繊維は炭水化物やたんぱく質などの栄養素とは異なり消化されないため、そのまま便の材料となります。食物繊維は大腸で有害物質や余分な水分などを吸収して、他の老廃物と一緒に便として排泄されます。食物繊維の量が多ければ、便の量が増え、軟らかさを保ち、排便をスムーズにしてくれます。もともと小食な人、特にダイエットをしている人などは、食事量が少ないため便のかさが増えず、また脂肪摂取不足により便が柔らかくならないうえ、食物繊維が不足がちになります。

水分の不足による便秘

水分をとることによって「トイレが近くなってしまう」「汗をかきやすくなってしまう」ということを理由に水分摂取を便秘を招く原因となります。もともと便の水分が不足しているところに、腸内で更に吸収されてしまうと、より一層便が硬くなります。しかし、水分だけをどんどん補給すればよいというわけではなく、水分を吸収して膨張する食物繊維との相乗効果で適度の量を保った軟らかい便を作るので、食物繊維があってこその水分といえます。

精神的要因による便秘

食べ物は大腸の中を適度な速さで送り出され、この速さも便秘と密接な関係を持っています。通常の便には70%~80%の水分が含まれますが、食べ物が移動していく速度が遅くなると、腸に停滞する時間が長くなり、水分がどんどん吸収されるので便が硬くなり便秘となります。逆に速度が早過ぎると、水分が十分に吸収されず、便が柔らかい状態のままで下痢となります。食べ物が通る胃腸はとてもデリケートな臓器で、喜怒哀楽などのちょっとした感情の動きにも大きく影響されます。これは腸の働きが自律神経に支配されているためです。この自律神経は感情と密接な関係があり、何らかの理由で感情が乱れると、自律神経も乱れるため腸の働きも結果的に乱されてしまいます。学校や職場などで緊張状態が続いたり、人間関係がうまくいかずギクシャクするというよな精神的ストレスが重なって感情がマイナス方向に働くと、自律神経の働きが乱れることによって便秘に陥ります。また、転居や転校、転職、旅行などで生活環境が変わることによって精神的なストレスや緊張が生じて便秘になる場合もあります。

運動不足による便秘

運動不足によって排便時に使う腹筋が弱くなると、大腸の運動リズムの乱れにつながり、便秘を一層悪化させてしまいます。体を動かすことは、全身の血行をよくし、新陳代謝を活発にして体全体のリズムを整えます。

便秘の種類

便秘の種類には突然に起こる急性と、徐々に進む慢性があり、急性には一過性や器質性によるもの、慢性には機能性や器質性による便秘などがあります。

急性便秘一過性単純性便秘
器質性便秘
慢性便秘機能性便秘弛緩性便秘
直腸性便秘
痙攣性便秘
器質性便秘

一過性単純性便秘

一過性単純性便秘は、お腹が張る程度でたいした苦痛は伴いません。食生活や環境の変化、精神的ストレスなどが原因で起こる一時的な便秘で、急性便秘の多くはこのタイプです。ダイエットなどで食事の量が減ったり、食物繊維の少ないものばかり食べると、便のかさが少なくなって、一時的に便秘を起こしやすくなります。また、旅行などで生活環境が変化したり、仕事が忙しいなど精神的な緊張やストレスが生じた時も、一時的に便秘になることがあります。変化した生活環境に慣れたり、元の生活環境に戻れば自然に便秘が解消されるという特徴があります。

器質性便秘

病気で起こる便秘のことで、急性と慢性のものがあります。

急性的な器質性便秘
急性的な器質性便秘の場合では、腸がねじれてしまう腸捻転や腸管が詰まってしまう腸閉塞などの病気が考えられ、激しい腹痛や嘔吐を伴うことが多く、急いで医師の診察を受ける必要があります。
慢性的な器質性便秘
慢性的な器質性便秘の場合では、大腸がんや大腸ポリープなど大腸の病気が挙げられます。また、膵臓がん、肝臓がん、子宮筋腫などといった臓器の病気やうつ病などが原因で便秘になることもあります。

機能性便秘

何らかの原因で腸の機能が低下したために起こり、便秘の種類の中でも一番多くみられます。

弛緩性便秘
弛緩性便秘とは、腸の蠕動運動が弱いため、便を十分に押し出せないことから起こる便秘です。排便回数が少なく、硬くて黒っぽい便が出ます。高齢者だけではなく、若い人でも腸が通常より長く、下に垂れているような体質の人に多くみられます。また、出産回数が多いために腹筋が弛緩している女性にも起こりやすい便秘です。弛緩性便秘になると、腹部膨満感、残便感、食欲低下、頭痛、肩こり、手足の冷え、倦怠感などを伴うことがあります。
直腸性便秘
直腸性便秘とは、直腸や結腸の反射が鈍くなって便意を感じにくくなるために起こる便秘です。便意があっても無視してしまうような生活習慣を続けることによって引き起こされます。高齢者や病気などで全身が衰弱している人、浣腸を繰り返して利用している人に多くみられます。直腸性便秘になると、直腸に溜まった便がコチコチに硬くなり、切れ痔になることが少なくありません。弛緩性便秘と合わせて起こることもあります。
痙攣性便秘
痙攣性便秘とは、腸の蠕動運動が強すぎるため、腸が痙攣し、便の通り道の所々がくびれて狭くなり、便の通過が妨げられて起こる便秘です。便意はあるものの小さくてコロコロしたウサギの糞のような便や細い便しか出ず、常に残便感があります。腹痛を伴うことが多く、食後に起こりやすいという特徴があります。心理的なものが原因であることが多いため、過敏性腸症候群の一種として位置づけられています。

便秘の分割ページ

便秘対策健康食品