健康食品の分類と問題点

インターネットの普及による健康情報の発信や健康関連のテレビや書籍が増え、健康に関する知識や情報に対する関心が高まっています。そして「健康ブーム」を引き起こし、その中でいわゆる「健康食品」と呼ばれるものが多数出回るようになりました。健康食品は、健康効果という機能を有するので「機能性食品」とも言われています。

健康食品の社会的背景

健康食品が多数出回るようになった社会的背景としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 高齢社会を迎えて、疾病予防の重要性が認識されるようになり、社会全体が健康を指向するようになった。
  • 食品添加物や農薬・化学肥料による危険性が認識されるようになり、一般食品に対して「安心」「安全」であるという信頼感が薄れてきた。
  • 医薬品の副作用が問題視されるようになり、健康食品を含めた食事療法への期待が高まった。
  • 健康食品の中で食品成分の機能が公的に認められ、特定保健用食品や栄養機能食品が制度化された。

健康志向型食品

健康食品と呼ばれる健康を志向する食品がたくさん開発・販売されるようになり、いろいろな言葉が生み出されて氾濫し、医薬品のような効能効果と誤解を招くことも少なくありません。それぞれの定義を理解することが大切です。

健康志向型食品の分類と定義

名称定義
健康食品広く一般的に健康効果があるとされる食品や食品成分
機能性食品通常その食品に含まれている栄養成分以上の健康効果を与えるように改良された食品あるいは食品成分
保健機能食品保健機能食品制度で定められた食品で、栄養機能食品と特定保健用食品が含まれる
栄養機能食品身体の健全な成長や発達、健康維持に必要な栄養成分の補給・補完を目的とした食品
特定保健用食品身体の生理学的機能や生物学的活動に関与する特定の保険機能を有する成分を摂取することにより、健康維持増進に役立ち、特定の保健の用途に資することを目的とした食品
栄養補助食品いわるるサプリメントのことで、栄養成分の補給・補完を目的とした食品で栄養機能食品を含める

保健機能食品

1991年に栄養改善法(現在の健康増進法)に基づく制度として、厚生労働省が個別に審査して「保健の用途・効果の表示が出来る食品」として唯一認可を与えている特定保健用食品がありました。しかし、厚生労働省は食薬区分の見直しを検討し、2001年4月から従来の特定保健用食品に加えて栄養機能食品制度を新たに設立し、併せて保健機能食品の表示が出来る保健機能食品制度を設立しました。

栄養機能食品

栄養機能食品はいわゆる規格型の食品です。個々の成分ごとに設定する規格基準に合致すれば、自由に製造・販売が可能なものであり、申請や届出なしに栄養機能を商品に表示することができます。商品形態は自由であり、錠剤やカプセルなども認められます。また、対象となる栄養成分については、ミネラル類、ビタミン類、脂肪酸、食物繊維、ハーブ類、その他の栄養成分が挙げられています。しかし、規格基準及び表示基準が定められているのはミネラル5成分とビタミン12成分の計17成分であり、栄養機能表示をすると共に注意喚起表示をしなければいけません。

特定保健用食品

食品には生命維持のための一次機能(栄養面での働き)、食事を楽しむという二次機能(嗜好面での働き)、そして生体防衛、疾病予防、疾病回復、老化防止(アンチエイジング)などの健康を維持する三次機能(生体調整や整理刺激の働き)があります。特定保健用食品は、食品の持つ三次機能に注目し、食品に含まれる特定の成分が、試験管による試験、動物実験、人への試験などによって健康維持増進に役立つことが科学的に証明されて、具体的な機能を表示することが出来る食品です。しかし、特定保健用食品とはいえ、あくまでも食品であって医薬品ではありません。摂取して病気が治るわけではなく、病気の一次予防と健康維持が目的です。2004年6月で417食品あり、特定保健用食品の食品数は現在も着実に増加しています。

栄養補助食品

栄養補助食品という言葉は、1994年に制定された”The Dietary Supplement Health and Education Act”(DSHEA:栄養補助食品・健康教育法)のDietary Supplement(ダイエタリーサプリメント)を直訳したものです。DSHEAによれば、ダイエタリーサプリメントとはビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸、または食生活全体を補う目的で摂取する食品成分で、カプセル、錠剤、液体、ソフトゲルの形状をしているものを指します。そしてダイエタリーサプリメントを略してサプリメントと呼ぶようになりました。サプリメントの本来の目的は「補う」ということであるので、サプリメントとは形状によらず、食生活で不足する食品成分を含む食品と定義できます。したがって、補助的に摂取する食品あるいは食品成分であれば、全てサプリメントという言葉を使うことが出来ます。ビタミンサプリメント、ミネラルサプリメント、アミノ酸サプリメント、ハーブサプリメントなどという言葉も使用されています。栄養機能食品や健康補助食品なども言葉の定義からすると栄養補助食品(サプリメント)に含まれます。

健康食品の問題点

様々な健康食品が出回る中で、それに追いつくような形で健康食品行政が動いています。2003年8月に、健康食品の製造や販売に大きく関わる食品衛生法と健康増進法が改正施行されました。食品衛生法では、健康被害が報告された健康食品について、その因果関係が特定されない段階であっても、暫定的に販売禁止措置が取られるようになっています。健康増進法では、健康食品の販売にあたって虚偽、誇大広告を禁止しています。更に健康食品に関連した書籍の利用などにも厳しいチェックが入るようになりました。

健康食品の在り方と販売業者

健康食品に「摂取さえすれば健康になれる」「疾病・疾患が治る」というイメージを持たれる方やそれを求めて商品を探す方が多いと思われますが、健康食品は病気になりにくい、若しくは病気にならないための体つくりに必要な食事で補え切れない栄養素を補給・補完する目的の食品です。健康食品に対して「これを摂ればどうなるのか?」「どの部分によいのか?」が消費者にとって一番知りたいと思う部分であると思いますが、正しい健康食品知識を持つ販売業者が、消費者に正しい健康食品知識を与えることは販売業者の責務だと思います。